「全人的地域総合医療」を理想に掲げる岩手医科大学では、2017年4月に総合診療医学講座を設置しました。臓器・疾患にとらわれずに幅広く対応し、地域医療を支える視点を持つ「誠の医療人」の養成が当講座の使命と考えております。
臓器別専門医療が充実した大学附属施設であっても複数の疾患や複雑な問題を抱える患者さんへの対応が求められます。高度専門医療を担う臓器別専門医と全人的包括的に関わる総合診療医が密接に連携することで、効率的で満足度の高い医療が提供できるものと思います。また、地域においては地域包括ケアシステムを担う医師として総合診療医の活躍が期待されており、さまざまな診療の場面に対応できる柔軟性と患者さんや地域に寄り添うマインドを持った総合診療医の養成が地域医療の充実に直結するものと考えております。
附属病院・内丸メディカルセンターでの診療や学生教育、研修医指導を通じて「総合診療マインド」を伝えながら、幅広いフィールドを活かした臨床研究にも積極的に取り組み、総合診療医学・地域医療学の発展に寄与することを目指します。岩手ならではの学びの場で総合診療や地域医療の楽しさを感じてもらえるような教室作りを目指しております。
今はまだ小さな教室ですが、一同努力を重ねて参りますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
教授 下沖 収